今回は私が所属していたことのある「宴会場」の仕事について紹介していきたいと思います。
ホテルに就職してからおこなった総支配人との面談の時に「体力はある?」と聞かれて、元運動部で体力には自信があったため「あります!」と答えたところ宴会場の配属に決まりました笑
目次
宴会場の仕事内容
簡単に言いますとウェイターやウェイトレスの仕事をレストランではなく宴会場(コンベンションホールやバンケットホールと呼ばれます)で行うのが宴会場の仕事です。
しかしレストランのように個人のお客様を相手に接客をする部署とは違いがあります。
どんなお客様が利用する?
家族や友人知人の食事会などの小さな集まりでの利用もあれば、得意先の方の接待利用であったり、会社の懇親会などの大人数での利用と実に様々なお客様が宴会場をご利用されます。
顔合わせや結納式、法要などの冠婚葬祭の接客をすることもあります。
レストランと違う部分って?
宴会場ではレストランと同じように料理や飲み物をお客様に提供します。
しかしほとんどが10名以上~多い時だと100名以上のお客様が同じ会場で食事を召し上がります。
もちろん上座、下座がありますので提供する順番には気を付けて接客を行います。
大人数のお客様が同じペースで料理を召し上がれるように料理を完成させるタイミングを考えて厨房へ伝えたり、会場の利用時間が決まっているため時間内ですべて召し上がれるようにペース配分をします。
レストランはテーブルや椅子などの位置が決められていてその中で食事をしますが、宴会場はお客様の人数や利用目的に合わせてテーブルの配置を変えたりします。
他にも客数に合わせて椅子の数を足したり、余興などのイベントを行いたいお客様がいたらステージやマイクを用意したりとその日その日で会場のセッティングが変化します。
大きくて重いテーブルや何脚も積み上げられた椅子を運んだりと力仕事がかなりあります。
宴会場で大変なこと
新入社員で初めに配属が決まったのが宴会部門でした。
それまで私は幼い頃に結婚式に参列した時くらいしか宴会場を利用したことがなく、どんな仕事をする部署なのかわからなかったです。
一緒に入社した同期にはなぜか同情されたりしましたね・・・(おそらく大変な部署だという認識だったのでしょう)実際に辞めていく同期も見てきました。
配属されてまず思ったことは「覚えることが多すぎる!」でした。
会場のセッティングからテーブルや椅子の種類、テーブル上のシルバーなどのセッティング、アルコールドリンクの作り方、料理の提供方法やアレルギーの知識などなど・・・
ぱっと思い浮かべただけでも沢山あり、そしてそれぞれの仕事が奥が深いのです。
加えて結納式や結婚式、法要などの冠婚葬祭も宴会場で行うことが多いためそれらのマナーや接客方法など本当に沢山の覚えることがあります。
最初の頃はがむしゃらにやっていて効率が悪かったですね・・・
結婚式などは一度始まるとすべてが終わるまでスケジュールが詰まっているため休憩が取れなかったり、取れても30分ずつだったり7、8時間通しで働いてから休憩に行ったりと体力が必要だと改めて感じました。
変形シフト制ですので一日の労働時間が8時間の時もあれば10時間の時もあるのです。
時期によっては大きな宴会場が朝食・夕食バイキングの会場になることがあり、朝早く出勤して(5時半や6時)働き、長めの休憩を取ってから(中抜けというものですね)また夕方に出勤して深夜まで仕事ということもありました。
体が慣れないうちは昼夜逆転や曜日、時間の感覚が狂ってしまったり、熟睡すると寝坊してしまうのではないかという不安で眠れなかったりしました・・・
宴会場のやりがい
上記に挙げたように覚えることが多く、体力が必要で臨機応変な対応が求められる部署であることがお分かりいただけたと思います。
宴会が終わった後に素早い片づけをして次の会場セッティングの内容を頭にいれておき、効率よくスピーディーに動く必要があります。
しかし大変な仕事ほどやりがいも強く感じられました。
覚えたことを少しずつ実践していき、できなかったら反省、またチャレンジを繰り返していくとそれまでわからなかったことやできなかったことができるようになっていきました。
少しずつでも着実に成長していけば新しい仕事を任せられることがあります。
例えば大人数の宴会でのバーカウンターでのドリンク作成係や結婚式のテーブルごとのチームを束ねるリーダーやドリンクの発注業務などを任せられました。
ちゃんとできるかというプレッシャーもありつつ仕事を任せられた!と嬉しかったことを思い出します。
前向きに努力する姿勢を示せば見ている人は見ていてくれています。
7年目の今となっては最初に配属された部署が宴会場で良かったと心から思います。
宴会場勤務で高まる能力は?
- 観察力
- 洞察力
- 接客スキル
- コミュニケーション力
- 視野が広くなる
- 同時に複数の仕事をこなせる
- 照明や音響などの専門的な知識を得られる
観察力・洞察力
宴会場を利用される様々なお客様の接客をしているうちに「何を求めているのか」「その人とほかのお客様との関係性」「好きなアルコールはワインかな?」「どのような思考回路の持ち主か」などを考えながら接することができるようになりました。
それらに伴い共感力もアップしたように思います。
コミュニケーション力・視野が広がる
料理や飲み物の説明をしたり世間話をしたりとお客様との距離が近いのが宴会場の特徴でもあります。
アルコールも入って貸し切りという空間のためか結構気さくに話しかけてくれる方が多いですね。軽くセクハラまがいの言動をされたこともありますが・・・
それぞれのお客様に適したコミュニケーションがとれるように観察力・洞察力をうまく使って会話をします。
沢山あるテーブルに着席してお食事をされるお客様を隅から隅まで見て必要なタイミングで必要なサービスを行う必要があるため視野が広くなります。
例えばグラスに飲み物がなくなったら次をお飲みになるか聞いたり、お手洗いや喫煙所を探している素振りをしている方をすぐに見つけてご案内をしたりですね。
同時に複数の仕事をこなす
宴会場が多くあるホテルですと、ある団体利用の会議を担当しながら隣の会場のランチの対応をしたり、はたまた別の会場の夕食のセッティングをしたりと限られた時間を有効に使う工夫と能力が求められます。
新入社員の指導をしながら自分が抱える仕事を進めるとかですね。(これは他の職種でもあるあるかと思いますが・・・)
専門的な知識を得られる
宴会場ではスポットライトやスピーカー、スクリーンなど多くの設備を扱います。
スポットライトの当て方を学んだり、動く人物をスポットで追いかけたりすることもありました。自動で動くスポットライトもありますがそれを操作するのは人なので操作方法を学んだりできます。
照明のほかにもPA(ピーエー)と呼ばれる音響担当がいます。マイクや会場のBGMの音量調整をしたり結婚式では各イベントごとのタイミングで音楽をかけたりと失敗が許されない仕事です。
まとめ
宴会場の仕事内容や大変さ、やりがいなどを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
大変そうだと思ったかもしれません。
人には得手不得手があるので自分に合った仕事を見つけることは難しいことかもしれませんね。それこそ「天職」に出会うことができる人は少ないかもしれません。
ただ、目の前の仕事を素直にできる人は成長しますし努力を続けていけば「天職」に出会えるかもしれません。
どんな仕事もすべては自分の心掛け次第だと私は思います。
しかし世の中には残念ながらブラック企業が存在しているのでそういった会社に入らないように正しい情報を得ることが必要不可欠です。
この記事がどなたかの心に引っかかるものがあればと思います。
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